呉須瑠璃地大皿(無地餅花手)

¥238,000(税込・送料込)

膏肓社

明代 漳州窯 16世紀後半 伝世 直径31センチ 高さ7センチ
所謂餅花手と呼ばれるタイプの大皿ですが、餅花が無く、無地になります。確か秦秀雄が見込みに1点だけ餅花が描かれたものを褒めていましたが、こちらは完全な無地。なかなか無い物かと思います。大皿のため取り分ける料理をたっぷりと盛って食卓の主役に据えると見栄えがしますね。当方もいろいろ使ってみましたので参考に写真を。このタイプの大皿は安土桃山時代から江戸初期の風俗画の宴会シーンなんかによく出てきます。器形は龍泉窯の青磁の大皿から来ているんでしょうね。瑠璃釉の物は李朝や伊万里、安南やペルシャにもあり、それぞれ時代や地域の個性がある独特な青や群青のバリエーションなんですが、個人的には明末の呉須手の瑠璃が一番力強くて好きなんです。高台裏を見ればわかりやすいのですが、鉄釉、白磁の釉薬、そして呉須と、三種類の釉薬を施釉している。だから深く複雑で味のあるあがりになるんです。富士山や数千メートル位の高山に登ると空がどんどん深い深い青になっていって、まるで霧か綿飴かヴェールのような雲が風に翻弄されながら舞っていて、そんな光景を思い出すんですよね。400年近い年月を経てトロトロになって真っ黒に汚れた砂高台なんかも高山の岩肌みたいで思わず撫でたくなりますね。口辺部に傷数か所とその補修。1か所10センチほどニュウありますがそこそこ鳴きはいいので堅牢かと思います。

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